終わらない明日へ

16

 イザークを先頭とするザフトの兵士達がジェネシスへ向かう中、エターナルとクサナギは、地球連合の抑えに回っていた。
 ジェネシスの砲撃で多くの艦隊を失ったにもかかわらず、未だに攻撃の手を緩めないその精神には頭が下がるが、怨念じみたものを感じてしまうのも確かだった。
「・・ク、諦めの悪い連中だ・・・」
「私達が言えることでは、ありませんよ」
 ラクスの言葉に、「違いない」と笑って、バルドフェルトは戦局をにらむ。ジャスティスはジェネシスへ。キラのフリーダムは先ほどのアークエンジェルの通信より、こちらに向かっているとのことだ。クサナギのルージュは現在整備中。M1アストレイは全滅とのことだった。つまり、まったく艦載機のないエターナルと、出撃可能な機体のないクサナギの2艦で、連合のモビルスーツを抑えなければならないのだ。かなり分の悪い試合だった。
 ラクスは、瞳を閉じてしばし時を空けたあと、すっと瞳を開いた。
「・・チャンネルオールレンジで、通信範囲を最大にしてください」
「ハッ」
 オペレータがすぐに対応し、バルドフェルトはラクスを振り返った。
「・・今、この戦場にいる皆さん。どうか、耳を貸してください」
 ラクスの声に、キラが、アスランが、全ての兵士が一瞬、耳を傾けた。アークエンジェル、クサナギの面々も、ラクスの次の言葉を待つ。
「この戦場にいる殆どの方が、戦争など望んでいないと思います。ですが、撃たなければ撃たれるというこの状況になれば、力を手に、他を圧倒すると言う感情は、仕方がないのかもしれません。そもそも、この戦争の発端はなんだったのでしょう。ユニウス7に核が打ち込まれた、血のヴァレンタインと呼ばれる事件でしょうか。それとも、ファースト・コーディネーターと呼ばれる、ジョージ・グレンがこの世に生を受けた時でしょうか。残念ながら、私には正確な答えを出すことは出来ません。しかし、今私達にとって大切なのは、始まりがなんだったか、ということよりも、どうやって終わらせるか、なのではないでしょうか。私も、一刻も早くこの戦争が終わるようにと願う一人です。地球連合は、ザフトのジェネシスという大量破壊兵器で多くの死者を出しました。ザフトは、地球連合の核攻撃で多くの死者を出しました。・・これ以上、悲しみの連鎖を続けることに、どんな意味があるのでしょう。どうか、もう一度考え直してみてください。相手を殺し、それで本当に得られるものがあるのでしょうか? もし何かを得られたとして、それを誇れるのでしょうか? それは、本当に欲しかったものなのでしょうか? もう一度・・もう一度、考え直してみてください・・・」
 ラクスの言葉に、戦場に、静謐な空気が流れた。と、信号弾が三色、宇宙に輝いた。
 撤退して行く地球軍のモビルスーツたち。
「・・ご苦労さん、ラクス」
「・・・私は、本当に・・・なにも、出来ないのですね・・・」
「よくやってる方さ。人一人でできることなんて、大した事じゃない。だから、協力するんだろ?」
 バルドフェルトの言葉に、ラクスが笑うと、ピンクのハロがパタパタと飛び出した。
「ミトメタクナイ!!」


 キラのミーティアは、ジェネシスを目視できる空域までたどり着いていた。マードックの整備もあるのか、妙に機体が軽い気がする。
「アスラン、聞こえる?」
『戻ったか、キラ』
「・・僕はこれから、クルーゼと決着をつけてくる」
『・・そうか』
 クルーゼとキラの間に何があったのか。色々と聞きたいことはあったが、キラの意思を感じる声に、敢えてアスランは聞かなかった。
『ジェネシスは俺達に任せろ。必ず止めてみせる』
「うん、頼むよ、アスラン」
『・・・キラ』
「・・うん?」
 アスランは、一呼吸置くと、肺にたまった呼気を吐き出すように、呟いた。
『死ぬなよ』
「・・もちろん」
『またな』
「また」
 確認しあうように頷くと、ジェネシスへ終結して行くザフトの大隊を横目に、キラは一人、別方向へと機体を向けた。
 感じる・・そう、気配を感じる。
 ラウ・ル・クルーゼの気配だ。目標は、廃コロニーの方角・・
 ミーティアが、閃光を残し、コロニーに近づいていく。まだ、迎撃の気配はない。どうやら、中で待ち構えているようだ。
 廃コロニーの中では、小回りが聞かない分ミーティアでは分が悪い。だが、意を決すると、ミーティアで側部に穴を空け、キラは突入していった。



17


 先頭を進むイザークは、ジェネシスの護衛するように並ぶ、発射を望むザフトの部隊をみて、唇をかんだ。
「まだ戦い続けようというのか!!」
 イザークは、回線を開くと、大声で叫ぶ。
「貴様ら! そこをどけ!! 撃たれたくなければな!!」
『裏切り者がなにをいうか!!』
 裏切り者、という言葉にイザークは激昂しそうになる自分を抑えた。確かに、今の自分を少し前の自分が見たら、裏切り者となじるかもしれない。だが・・・
 今、ジェネシスを止めようと思うこの気持ちは真実だ。
「・・アスラン! 貴様は先に行け!! ここは俺達が抑える!! ジェネシスを落とせッ!!」
『イザーク・・・了解した!! こんなところで、死ぬなよ!!』
「誰に言ってるんだ!! 簡単な方を任せてやってるんだ! 貴様こそ死んだりしたら、許さんからな!」
 イザークの言葉に苦笑して、アスランはミーティアを加速させた。
「・・頼んだぞ、アスラン・・」
 イザークは呟くと、全機に渇を入れた。
「怯むな!! プラントの未来のためだ!!!」



18

 キラが飛び込んだ廃コロニーは、さすがにひっそりとしており、恐らく隠れているであろうクルーゼを探し出すのは、簡単ではないようだった。
「・・・どこだ・・・?」
 低空を飛行しながら、いつでも攻撃を避けられるように、感覚を研ぎ澄ませる。感じること・・それが大事だと、フラガは言っていた。
 今まで考えたこともなかった。周りを感じる、ということを。もしかしたらそれは、当たり前のことなのかもしれない。自分がコーディネーターだから、感じられなかったのかもしれない。
 思考の迷宮に陥りそうな自分をかぶりをふって抑える。
「・・・近い・・!?」
 感じる。クルーゼの気配だ・・・
 ミーティアを停止させ、あたりに気を配る。
 近いはずだ・・なぜ見えない・・
 キラが殺気というものを感じた瞬間に、プロヴィデンスが空間からふらり、と姿を現した。
「ミラージュコロイド!?」
 ミーティアのままではかわしきれない、と瞬時に判断し、パージして離脱する。
 プロヴィデンスのライフルの一射が、ミーティアを直撃し、爆発が辺りを包んだ。
(・・ミラージュコロイドまで搭載してるなんて!)
 この状況では、とてつもなく厄介であることは間違いない。だが、ミラージュコロイドとて完璧なものではない。しかも、この一撃で勝負をきめられなかったことは、クルーゼにとっても不利なことだった。
「クルーゼッ!」
「キラ・ヤマト!」
 また距離を離されてミラージュコロイドを使われるわけにはいかない。
 キラは、ビームサーベルを抜き放つと、プロヴィデンスに切り掛かる。左腕を失ったバランスの悪い状態のプロヴィデンスは、ビームライフルを投げ捨て、サーベルでの切り払いを図る。
 バチッ、と光が爆発したと思うと、両者はそのまま切り合いながら、徐々に移動して行く。
「さすがは最高のコーディネーターというか!!」
「だからなんだっていうんだ!」
 切りあいを続けながら、プロヴィデンスはファンネルを展開する。
「させないっ!!」
 キラも、きりあいを続けながら肩口のビーム砲でファンネルを撃ち落しにかかる。が、いかんせんスピードが速すぎ、一機をおとしたに留まった。
「くらうがいい!」
 初弾、2段、3弾、4弾とかわすフリーダム。かわしながら、レール砲でプロヴィデンスの動きを牽制する。
「そう何度もっ!!」
 先ほどと見違えるようなフリーダムの動きに、クルーゼは舌を打った。
「・・容赦など、するものではないということか!」
 再びファンネルを一射すると、ミラージュコロイドを使い溶け込むプロヴィデンス。
 一瞬の隙を与えてしまったことに悔やみながら、キラは距離を離した。ミラージュコロイドを使われてしまっては、下手に距離が近い方が危険が高い。誘い込むしかない・・・
 背後を見せ、逃げるフリーダム。


19

「・・どこか・・どこか、ないか・・」
 キンッ、と、頭の中のいっぺんが危険を感知する。素早く回避行動に移ったキラだったが、小型ファンネルの一撃をかわしきれずに左肩を損傷した。かすり傷だ、まだいける・・・
「・・本体はミラージュコロイドを使ったまま、あの小型兵器を使えるのか・・・!」
 キラはフリーダムに上昇を駆けると、コロニーのメインシャフトへと近づいていった。
 いわゆる港部・・そこで、待ち構えるしかない。
 クルーゼの気配は確かに近づいてきている。キラは、キーボードを開くと、素早くデータを打ち込んだ。
 ハイマット・モード。
 フリーダムに搭載された、オーバーロードモードだ。
 核エンジンのエネルギーをフルに使いきるため、背部にあるウイングにより強制冷却が必要となる。しかも、その状態でいられる時間は短く、各部への負担は大きい。
 だが、やるしかない。次で、プロヴィデンスをしとめるしかない・・・
 データを入力し終えたキラは、すう、と息を吸い込むと、Enterキーを叩いた。
 ディスプレイに、ハイマットモード起動、という旨の文章が流れ、背部ウイングが展開していく。次の瞬間、キラはシートに身体を押し付けられるようになった。
 圧倒的な加速。瞬時にコクピットの緩和作用が働いたが、瞬間的にかかったGに身体が悲鳴を上げた。
 一気に、港部が近づいてくる。
 金色の光を放ちながら進むフリーダムには、プロヴィデンスも追いつけず、徐々に距離を離して行く。
 港部にたどり着いたフリーダムは、最深部まで進んでいった。なるべく狭いところへ・・
「ここで・・」
 クスィフィアス・レール砲とビームライフルを構え、プロヴィデンスを待つ。
 気配が近づく・・・!
「いけぇっ!!!」
 放たれた閃光は、濁流となって港部入り口へと進んで行く。
 バチュ、と閃光がひときわ強くなると、そこにはプロヴィデンスの右足が浮いていた。
「はずした!?」
「惜しかったな、キラ・ヤマト!!!」
「まだだっ!!!」
 ファンネルの攻撃をスピードで避け、キラはビームライフルを連射した。
「落ちろぉぉっ!!!」
 ミラージュコロイドがとかれたプロヴィデンスのビームサーベルが、フリーダムの左腕を切り裂く。
 レール砲を撃ち、距離をとったキラは、ライフルを捨てサーベルを抜いた。
「はぁぁぁぁっ!!」
「おぉぉぉぉっ!!」
 サーベルに持ち替えたキラのフリーダムと、プロヴィデンスの一撃が交錯する!
 ズン、と、重い音が、港部に響き渡った。


 アスランは、追い縋る数機のモビルスーツを沈黙させ、ジェネシス内部に侵入した。
「・・中央部のシャフト・・これを完全に破壊することが出来れば・・・」
 長大なシャフト。これを破壊するのは容易ではない。が・・
「全弾撃ちつくすまでやってやるさ!!」
 ミーティアの兵装を全てオープンにすると、アスランはシャフト内部に突撃していった。
「おぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 時折放たれる自律防御兵器のビームを避け、シャフトを少しずつ破壊して行くアスラン。
 時間はもう、残り少ない。間に合わなければ、自分も、そしてジェネシスの前で戦闘をしているイザークたちも、消え去ってしまう・・・
「そんなこと、させるか!!」
 内部までフェイズシフトしていなかったことが幸いし、実弾のマイクロミサイルがえぐっていく。
「間に合え・・・間に合うんだッ!」
 アスランの叫びの直後・・・
 重い音を立てて、ジェネシス内部の崩壊が始まった。
「・・やった・・!?」
 そして、ジェネシスは、大きな爆発に飲み込まれていった。



20

「・・アスラン・・!? やったのか!? おい、聞こえないのか!!」
 ジェネシス防衛隊をほぼ活動不可能にしたイザークは、ボロボロのデュエルから通信を開いた。
「おい!!! アスラン!!!!」
 返事がない・・・まさか・・
「あのコシヌケ、爆発に巻き込まれでもしたのか!?」
「なんだって・・・!?」
 こちらももう、フェイズシフトすら落ちてしまったバスターのディアッカが、崩れ行くジェネシスを見ながら、呆然とした。
「おい、エターナル、クサナギ!! 聞こえるか!!!」
『こちらクサナギだ。どうした、ディアッカ』
 応えたのは、カガリだった。思わず、うっと言葉に詰まるディアッカ。
『なんだよ? 早く言え! ジェネシスなら、こっちで確認したぞ。やったな!!』
「それなんだが・・・ジェネシス内部にアスランが・・・返事がないんだ!」
『・・なに?』
「俺達はもうモビルスーツの活動限界だ! そっちの機体、あまってんだろ!? 探してくれよ!!」
『・・・・・・』
 こちらも、返事がなくなってしまった。
「おい!! なんとかいえよ!!」
『カガリは飛び出していったぞ。恐らく、ルージュで探すつもりだろう』
「キサカ・・さん」
『・・・今は、カガリに頼るしかないな・・全機、各艦へ収容する。ご苦労だったな』
「・・・・」
 ディアッカは、複雑な表情で、キサカとの通信を終えた。
 と、宙域に、一機のモビルスーツが飛び出して行く。赤いストライク・・ストライク・ルージュだ。
「カガリ・・」
『なんだよ! 今、急いでんだ!!』
「頼むぜ」
『任せとけ! まったくあいつは、無茶ばっかりしやがって・・・』
 カガリが、鼻をすするが聞こえた。泣いているのだろう。
 ディアッカは、パイロットメットを外すと、大きく息をついた。
「・・・ふう・・・コレで少し・・休めるな・・」


 キラの部屋で眠っていたフレイは、嫌な予感に目を開いた。
 傍らで、地球連合の制服を着た少年が、心配そうに自分を見ている。
 視界がぼやける中、思わず呼んでいた。
「・・キラ・・?」
「ごめんな、フレイ。キラじゃなくて」
「あ・・あ、ごめんなさい・・」
 苦笑したサイに、フレイはもう一度「ごめんね」といって、身体を起こした。
「大丈夫なの? まだ、寝てないと」
「・・ね、サイ・・お願いがあるんだけど・・・」
「ん?」
 真剣なフレイの表情に、サイは身構えた。なんとなく、感じるものはあったが・・
「アークエンジェルにも、小型艇があるはずよね。それ、運転できる?」
「・・ああ。・・なんで・・?」
「・・嫌な予感がするの。お願い、何も言わずに、私を連れてって。・・お願い・・」
「・・キラ・・か?」
 サイの言葉に、フレイはコク、と頷いた。
 サイは、大きなため息をつくと、ガタッと椅子から立ち上がった。
「サイ! お願い!!」
「フレイ、身体、悪くしてもしらないよ。・・パイロットスーツとってくるから、待ってて」
 サイは、そういうと、部屋から出ていった。
 サイのいなくなった部屋で、フレイは呟く。
「ありがとう・・サイ・・・」



21

 戦闘がほぼ終結したのを受け、アークエンジェルもクサナギ、エターナルと合流することになった。3艦とも、艦自体、そしてクルーへの損傷が激しい。
「・・終わった・・のでしょうか?」
『一応はな。・・プラントも地球連合も、停戦を望んでいる。・・ま、これだけやったら、停戦でもしてもう一度戦力を集めなおさないとな・・』
 バルドフェルトの言葉に、マリューは言葉を失った。
「そんな・・・」
『まさか、の話だがね。私ももう、これ以上命が散るのをみたいとは思わんよ』
 ミリィが、耐え切れなくなったように口を開いた。
「そのっ・・・ディアッカは・・・・」
『彼は平気だ。今クサナギで収容した。よほど疲れているんだな。よく眠っている』
 キサカの応えに、安心したように声を漏らす。
「そうですか・・・」
 ムウのこともあって、ミリィはよかった、とは口に出来なかった。
『フリーダムと通信が途絶しているのですが・・なにか、ご存知ではないですか?』
 ラクスの言葉に、マリューとミリィは顔を見合わせた。
「いえ・・先ほど、当艦を出撃してからは、なにも・・・」
『そうですか・・・無事なら、良いのですが・・・トリィも・・艦内で見当たりませんし・・』
 鎮痛な面持ちのラクス。再び、沈黙な空気が漂う。
 と、警告音が、アークエンジェルを包んだ。
「どうしたの!?」
「カタパルトが開いています!! どうして・・!?」
 あせるミリィへの回答は、すぐに提示された。
『俺です』
「サイ・・くん?」
『・・わたしが・・お願いしたんです』
「フレイ!? なにやってるの! まだ怪我なおってないんでしょ!? サイ!! とめてよ!!」
『・・お願い、いかせて、ミリィ・・今度は、わたしの番なの・・わたしが、守ってあげる番なの!』
「フレイ・・? キラのこと・・?」
『・・・・・・』
 返事がないことが、ミリィにとっては返事だった。軽く嘆息をつくと、笑って見せた。
「フレイ、変わったね。・・でも、そういうフレイ、私、嫌いじゃないよ。・・気をつけてね」
『ありがと』
 ミリィの言葉は、フレイの背中を優しくおしてくれた。心のわだかまりが、ゆっくり溶けていくのを感じる。
『小型艇、出ます』
 サイは、小型艇をカタパルトから射出させた。
(俺って、こんなんばっかりだな、まったく・・・)
「本当は・・一人で行こうと思ったんだけど・・」
「いいよ。全部終わるまで、よろしくってキラに言われてるからさ」
「ありがとう、サイ」
 サイは、深くため息をついた。まったく、損な役回りだ。なのに、なぜか誇らしいのは、なぜなんだろう。


 崩れ落ちたのは、プロヴィデンスの方だった。胴体と下半身を切り分けられては、もう活動することは出来ない。
「はぁーっ・・はぁーっ・・」
 キラは、荒く息をつくと、顔の汗を飛ばした。
「・・やったの・・・?」
 パシュ、とプロヴィデンスのコクピットが開くと、そこからクルーゼが降りるのが見えた。一瞬、フリーダムを見る・・・
「誘ってる・・・?」
 キラは、コクピットから拳銃を探り当てると、走り出したクルーゼの後を追った。



22

 カガリのストライク・ルージュは崩壊を続けるジェネシスへと進んで行く。
 いつ自分もつぶされるかわからない状況での捜索は正直緊張の連続だった。
「・・アスラン! どこなんだ! 返事しろよ!! アスラン!!!」
 喉が痛くなるまで叫び続ける。もう、大切な人を失うのは、いやだ・・
「アスラン! 頼むよ! 返事してよ!!」
 殆ど泣き崩れた状態のカガリは、グッと涙を拭うと、再び叫びだす。
「アスラン!! どこなんだよ!!」
 ガン・・・
「・・・?」
 大きな物音に、気配を配るカガリ。
 だが、背後から倒れてくる大きな鉄塔には、気付くのがだいぶ遅れた。
「ちっくしょ!」
 振り返りながら、なんとか鉄塔を避ける。もう一瞬気付くのが遅れたら、恐らくルージュごと鉄塔の下敷きになり、ミイラ取りがミイラになるところだった。
「・・・?」
 だが、その鉄塔が倒れたことで、遠くに先ほどまで見当たらなかったなにかを見つけた。
 赤い・・・ような、気がする。
「・・アスランか・・?」
 ゆっくりと、ルージュを近づけていくと、徐々にそれは明確になっていった。ジャスティスの頭部だ。
「アスラン!」
 ギリギリまでルージュを接近させると、カガリはコクピットハッチから飛び出していった。ジャスティスのコクピットにしがみ付くと、乱暴に開く。
 カシュゥ・・
 ハッチが開く僅かな時間すらもどかしい。ようやく開いたハッチの中に、アスランがいた。
「・・アスラン!! おい、なにやってんだよ!! おきろよ!!」
 バシバシと、思いっきりヘルメットを叩きつけるカガリ。やがて、うめき声とともにアスランが瞳を開いた。
「・・・いて・・痛い・・痛いだろ!!!」
「アスラン・・生きてたのか・・・」
「当たり前だ!! 何度も叩くな・・・」
 頭がガンガンする。体中もいたい。だが、どうやら、生きているようだ。
 頭がいたいのは、目の前の彼女の所為かもしれないが・・
「・・よかった・・アスラン・・・」
 涙目のカガリに笑いかけて、アスランはジャスティスのレバーを倒す。
「いつ崩れてくるか分からないからな・・」
 だが、ジャスティスは反応してくれなかった。
「・・なんだ・・?」
 状態確認をすると、先ほどの爆発で、ジャスティスは姿勢維持装置のほとんどを損壊していた。つまり、動くことが出来ない状態だ。
「・・ちっ、ダメか・・」
「アスラン、私のルージュに行こう」
「わかった」
 2人して狭苦しいコクピットから出る中、アスランはジャスティスを振り返った。
(短い間だったけど・・ありがとうな、俺の・・ジャスティス・・)
 軽く敬礼をして見せて、アスランはルージュのコクピットに滑り込んだ。
「・・狭いな・・」
「文句言うなよ! 人が、どんな思いして助けに来てやったと思ってるんだ!!」
「・・そんな、騒ぐなよ・・有難いと思ってるさ。それに、俺だって少し間違えば死んでるところだったんだぞ」
「だ、大丈夫なのか?」
 コロコロ変わるカガリの表情に苦笑して、「大丈夫だ」と応える。
「行こう」
「言われなくても、わかってるよ」
 ルージュは、閣座したジャスティスを背後に、ジェネシスの宙域から離れていった。


 フレイとサイを乗せた小型艇がアークエンジェルを飛び立って間もなく、目の前を小さななにかが通り過ぎた。
「・・なんだ? 今の・・」
 いぶかしむサイに対して、フレイはハッとなって立ち上がった。
「・・・サイ・・ありがとう、ここまででいいわ」
「え? なんだよ、フレイ? どうしたんだ?」
「・・わがままにつき合わせて、ごめんね。・・ありがとう・・」
 にっこりと笑ったフレイに、サイはもう一度聞く。
「どうしたんだ? 本当にいいの・・?」
「うん。大丈夫。あとは、わたしがやらなくちゃ」
 清清しい笑顔を見せられては、サイもこれ以上食いつくことは出来なかった。
「・・俺、しばらくここにいるからさ。なにかあったら、言ってくれよ」
「ありがと」
 操縦室を飛び出したフレイは、小型高性能バーニアを背中につけると、宇宙へと飛び出していった。
「トリィ!」
 それを待っていたかのように、緑色の鳥形ロボット・・トリィが、フレイの肩に止まる。
「久しぶりね、トリィ・・元気してた?」
「トリィ!」
 こくん、と頷くのを見て、フレイはくすっと笑った。
「キラの場所・・わかるのよね? お願い、わたしを連れて行って・・」
 トリィは、フレイの言葉が通じたかのように、すぅっと飛んで行く。
「・・コロニー・・?」
 トリィが飛んでいく先には、壊れかけのコロニーが、じっと佇んでいた。



23

 銃を構えて、キラはクルーゼを追う。時折爆ぜる銃弾が、彼に近づいていることを明示していた。
「・・クルーゼ! もうやめるんだ!! これ以上、なにをしようっていうんだ!!」
「私はまだ何もしてないよ、キラ・ヤマト。全ての人類を粛清して、その時初めて、私は行動できるのだよ」
「・・なにを・・」
 チュン、と近場の地面が爆ぜた。近い・・・
 飛び出し、銃を構える。だが、クルーゼの姿はなく、開いたドアがあるだけだった。
「・・くだらんと思わんかね。自分達が夢だ希望だと囃し立てたコーディネーターを妬むナチュラル。ナチュラルよりも優秀だと言って譲らないコーディネーター・・・まったく、くだらない」
 徐々に、クルーゼはコロニーの中央制御室に向かっているようだった。キラは、弾丸の残数を確認しながら進む。
「勝手に作り出しておいて、失敗作だなどといわれた私の気持ちが、君に分かるかね!?」
「わからないさ!! 僕はあなたじゃない!! だけど、自分だけが不幸だと思うのは、被害妄想だ!!」
「私はね、見てみたいのだよ。滅亡を。破滅を。その扉の向こうで、人々がどのような姿を見せるのか・・私はそれがみたいのだ!」
 キィン、と中央制御室から弾丸が跳ねた。そろそろ、最深部のようだ。
「自分勝手な理屈だ!!」
「なら君は、なぜ戦う?」
「・・守りたい人がいるからだ! もう二度と、泣かせたくない人がいるから! だから僕は戦うんだ!」
 バッと中央制御室に飛び込むと、モニターが全て起動していた。
 思わず、一瞬その光景に呆然とする。
「・・・な・・?」
「終わりだよ、キラ・ヤマト」
 声に気付いた次の瞬間には、右肩に痛みが走っていた。手に握っていた拳銃も、入り口へ向けて流れて行く。
「ぐううっ・・・」
「私はこんなところで終わるわけにはいかないのでね・・君は、少し甘すぎるようだ」
 ゆっくりと、クルーゼが近づいてくる。キラは、痛みを堪え、ゆっくりと体制を起こす。
「・・ほう・・さすが、最高のコーディネーターといわれるだけはあるな」
「最高のコーディネーターとか・・関係ない・・・僕は、僕だ! あなたには・・あなた自身を感じない!! まるで全てを他人の所為にするような言い方じゃないか!!」
 キラの叫びに、クルーゼはフン、と笑って見せた。
「・・・さらばだ、キラ・ヤマト」
「うっ・・」
 自らに向けられた銃口に、キラが目を閉じた瞬間だった。
 ガァン!
 薬莢が、ふわっと空中に浮いた。硝煙の匂いが、鼻をつく。
「・・き・・・さま・・・・」
 腹部を押さえ、ゆっくりと崩れて行くクルーゼ。キラは、驚きの表情のまま、入り口に視線を向けた
「・・フレイ・・・!?」
 そこには、キラの拳銃を握ったまま、動くことが出来ずにいるフレイがいた。
「キ・・キラ! 大丈夫・・・?」
「・・・く・・・こんな・・終わり方・・とはな・・・」
 クルーゼは、ずるずると身体を引きずりながら、モニターへ近づくと、ガラスで覆われたスイッチを、拳銃のグリップで叩き割り、押した。
 警告音が、一気に部屋に鳴り響く。
「・・なにをしたんだ・・・クルーゼ!!」
「なに・・ただ・・コロニーの崩壊スクリプトを実行しただけだ・・・」
 クルーゼは、荒く息をつきながら、笑みを浮かべた。
「・・さあ・・生きたいのなら・・逃げ切って見せろ・・・時間はほとんどないぞ・・」
「・・くそっ!」
 キラは、震えたままのフレイの手から拳銃をもぎ取り、フレイに声をかけた。
「フレイ!! 逃げるんだ!! ここは・・・くっ、危ないんだ!!」
「う、うん・・・」
 キラに手を引かれながら、フレイはクルーゼの姿を見つめていた。なぜだかとても、満足しているような、そんな顔だった。



24

「キラ、肩・・ちょっとまってて」
 フレイは、パイロットスーツのレスキューパックから消毒剤と応急テープ、固着シートを取り出した。
 そして、出口へと流れていきながら、キラのパイロットスーツを脱がせた。
「つっ・・・」
「痛いけど、我慢してね」
 患部に消毒剤を吹き、その上から応急テープを張る。しばらくすると、応急テープが真っ赤に染まった。あまりに痛々しい光景に、目をそむけそうになりながら、なんとか笑顔を作ることが出来た。
「・・今は、これで我慢して」
「・・あ、ありがと・・フレ・・イ・・」
 もう一度パイロットスーツを着せ、弾痕に固着シートをはる。これで、真空でも平気なはずだ。
「・・守るって・・言ったでしょ?」
「・・そう・・だね・・」
 キラの顔には、ふつふつと汗が滲む。いたたまれなくなる気持ちを抑えながら、フレイは顔を拭いてやった。
「・・ありがと・・」
「・・帰ってくるって・・約束したのに、あんな無茶しないで・・」
「ごめん・・とにかく今は・・逃げないと・・フリーダムは、まだ動くはずだから・・」
 まだ強い光を発し続けるキラの瞳に、フレイはこくっと頷いた。
「・・大丈夫。きっと、大丈夫・・」
 フレイの言葉を否定するかのように、徐々に警告音が激しくなる。
「くそ・・もうちょっとなのに・・・」
 遠くなる意識をなんとか振り戻していると、声がまた、届いた。
(おいおい、諦めるのかよ、ダサイぜ、キラ)
(キラ・ヤマト。フレイ・アルスターはお前に任せる。・・幸せにしてやれ。・・もう少しだ、必ず間に合う)
「・・ムウ・・さん・・? ナタル・・さん・・?」
 2人の幻影が、瞳に浮かぶ。2人とも、笑顔だった。優しい、笑顔。
 それが消えると、フレイの瞳が、自分を見つめていた。
「諦めちゃダメよ、キラ」
「そうだね、フレイ」
 お互いを支えあいながら、二人は、ゆっくりと進んでいった。
 支えあう身体は、人の温もりを感じさせてくれた。


 サイは、その瞬間を一番近くで見ていた。
 崩壊していくコロニー。先ほどから続けている通信に返答はない。
 だが・・それでも彼は、信じて疑わなかった。
 キラとフレイは生きている。当然じゃないか。
「・・・当然じゃないか・・・」


25

 2年後
 C.E.73.04.18
 月
 コペルニクス

「無理しなくても、いいんだぞ?」
「無理なんかしてないよ・・今日中には、そっちにいくから」
「・・その・・悪いな、忙しいのに・・」
「いいさ。お互い様だろ。・・それじゃ、そろそろ切るな」
「うん、気をつけて」
 アスランは、カガリとの電話を切ると、ふう、と息をついた。
 プラントと地球の橋渡し的な役割を担っているアスランには、この2年間はあっという間だった。あの最後の戦闘から、もう2年がたったのだ。
 ふと視線を移すと、コルクボードの写真が目に入った。
 その中には、子供のころにキラとともに撮ったものが、片隅に一枚だけ張ってあった。
「・・キラ・・・お前、どこにいるんだ・・?」
 コロニーの崩壊に巻き込まれたというキラ、フレイ、クルーゼは、行方不明、という形になった。どこを探しても、彼らの姿を発見することは出来なかった。
 発見できたのは、僅かにフリーダムとプロヴィデンスの各種パーツのみ。腕や足といった、その類のものである。
 あれから世界は、取り敢えずの平和を手に入れることが出来た。ザフトと地球連合で結ばれた停戦協定。
 協定の日にブルーコスモスによるテロなどが行われたこともあったが、大事には至らず協定は無事結ばれた。
 各地ではまだ、小競り合いが続いている。そんなニュースを見るたびに、アスランは胸が痛むのを感じていた。



26

 荷物をまとめ、ホテルを出たアスランは、カガリへのプレゼントを買いに、街を歩いていた。懐かしい街並み。子供の頃、キラと過ごした街並みだ。
 この景色が消えてなくならなかったのは、不幸中の幸いだ、としみじみ思う。
 駆け抜けて行く子供達が、自分の子供時代にかぶったりする自分は、やはり感傷的になっているのだろうか。
 カガリは今、オーブの再建に尽力している。彼女も毎日多忙な日々で、ここのところ会っていない。だが、今日は彼女の誕生日ということで、なんとか一日オフを作ったのだ。
 本当はすぐにでも地球に行きたい気持ちがあったのだが、地球にいる彼女に地球でプレゼントを買うのもな・・という感情が、アスランをコペルニクスに向かわせた。
 懐かしい街並みをもっとみていたかった、というのもあるだろうが。
 そんな時、クラシックな街並みの中に溶け込むようにして佇む、オルゴールショップを見つけた。ディスプレイしてあるオルゴールがかわいらしく、思わず足を踏み入れる。
 カランカラン、と、ドアについていたカウベルが鳴った。
「いらっしゃい」
 人懐こそうな笑顔の老人が、カウンターの向こうで迎えてくれた。
 アスランは、軽く会釈をして、店内を見回す。
 自分以外にも一人、少女がオルゴールを物色しているようだった。店舗がそれほど広くないので、2人でもちょうどいいぐらいだ。
 どれもこれも、手作りの雰囲気を感じる、いい品だな、と、素人ながらに思う。
 一通り眺めると、木製の男の子と女の子がオルゴールの上に立っている商品が、アスランの目に留まった。
 思わず手を伸ばす・・と。
「あっ」
「あっ」
 どうやら、少女もこれに目をつけていたようで、手があたってしまった。
 勢いよく手をひっこめるアスラン。
「・・ごめん。その、悪気はなくて」
 しどろもどろになって謝るアスランに、赤い髪の少女は笑って見せた。
「いえ、いいんです。カワイイですよね、それ」
「ああ・・うん、そうだな」
「プレゼントですか?」
 少女の鋭い質問に、アスランはコクコクと頷いた。
「そうなんだ。その・・あんまり、女の子の趣味はわからないんだけど・・」
(でもあいつ、女の子の趣味でいいんだろうか・・・)
 そんなことを考えるアスランに、カガリの「女で悪かったな!!」という声が響いた。
「これ、良いと思いますよ。私は、他にもいいの見つけたから、どうぞ」
 ふわっとつぼみが開くような笑顔を見せた少女に、アスランは少し頭にひっかかるものを感じながらも、笑顔で頷いた。
「ああ、ありがとう。・・君も、プレゼントかい?」
「そうなんです。お互い忙しくて、ホントは今日が誕生日なんです」
「奇遇だな、俺もなんだ。・・っと、シャトルに乗り遅れたら、今日中につかなくなっちゃうな」
 アスランは、時計を気にした。まだ平気といえば平気だが、なにか一つでも予定通りにならなければ、乗り遅れる可能性はある。
「結構女の子って、気にしないって言いながらそういうの、気にしますよ」
「そ、そうなのか? じゃ、急がないと・・・その、すまないな、譲ってもらって」
「いえ、いいです。彼女さんに、よろしく」
「ありがとう」
 アスランは、先ほどのオルゴールをカウンターに持っていくと、特注の箱に入れてもらい、きれいにラッピングしてもらった。
「それじゃ」
「ええ、また、どこかで」
 少女と笑顔で軽く会釈を交わして、アスランは店を出た。
 数秒がたって、彼女も店から出てきたらしい。カランカラン、という音が背中に聞こえた。
 そして・・・・
「トリィ!」
「トリィ、お待たせ。待っててくれたのね」
「・・・!」
 アスランは、思わず振り返っていた。赤い髪の少女の肩に、自分が作った・・あの、トリィがいる。
 その瞬間、アスランは彼女の顔を記憶の中で引きずり出せた。
「・・・フレイ・・アルスター・・・?」
 キラと一緒に行方不明になった少女だ。2年前に資料でみたきりだったが・・・
 アスランは、トリィを肩に乗せた彼女を見送りながら、優しい微笑を浮かべた。
「キラ、気に入ってくれるかな?」




一気に書き込んでしまいました。何度か番号を間違えています・・
すみません。暇な時にでも、お読みいただければ嬉しいです。


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フレイに、幸あらんことを。



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