温泉で逝こう!



「温泉なんて久しぶりよねえ」
「そうだなあ、宇宙じゃこいつは味わえないからなあ」

 フレイとカガリは湯船に浸かりながら思いっきり寛いでいた。寛ぎまくっている2人を見てラクスが微笑む。

「お2人とも、お疲れさまでした」
「私はあんまり出番無かったけどねえ。最後が見せ場だったし」
「私なんかルージュ乗っただけだった様な気が・・・・・・」
「うふふ、カガリさんはカラミティを落としたじゃないですか」

 ここは温泉の女湯。週末に向ってが終わったことを祝してみんなで温泉旅行に来ているのだ。少し離れた所ではマリュ−がエリカとお猪口を手に談笑している。そのスタイルは凄まじいの一言に尽きた。

だが、今回は読者の方々には非常に残念だろうが、まずは野郎どものたむろする男湯のほうから覗いて見よう。

「あ−、生き返りますねえ」
「そうですなあ、バルトフェルドさん」

 仲良く温泉に浸かっているバルトフェルドとキサカ。

「まったく、ダコスタも来れば良かったのに」
「はっはっは、まあそう言わずに」

 温泉の魔力でおっさん化が進んでいる2人。そこにアスランがやってきた。

「あれ、お2人だけですか? 他の連中は?」
「いや、我々だけだが?」
「・・・・・・アスラン君、他の連中とは?」
「ええ、キラとディアッカとフラガさんと、トールとカズィですが?」

 面子を言われたキサカはじっと考え、そっと女湯の方を見る。

「まさかな、ここから女湯までは相当距離があるし」

 キサカの独り言にギギギギギギ・・・・・・・・と、機械的に顔を向けるアスラン・

「女湯って、まさか、あいつら!?」
「い、いや、ただの推測だよ。わざわざ女湯に行っても、絶対にばれるに決まってるじゃないか」

 慌てて否定するキサカ。だが、バルトフェルドが何かを思い出す様に呟いた。

「そう言えば、昨日ディアッカがミラージュコロイドどうとか言っていたな」
「のあわにいいぃぃぃいぃいいいいいい!! それで、どうしたんです!?」

 アスランに首をしめられて揺さぶられるバルトフェルド。

「ま、待てアスラン。そんなこと言われても俺が知る分けないだろう!」
「ま、まあそうですが・・・・・・」

 仕方なく手を離し、どうしたものかと天井を見上げる。

「で、でもまあ、あいつ等にそんなもの作れるわけが・・・・・・」
「ああ、そういえばマードックに頼んで作ってもらったと言っていたな」

 天井から湯船に滴が落ちた。
 マードック、あのこんな事もあろうかととか言って4次元ポケットやタイムマシンでも出してきそうな男。奴にかかればミラージュコロイドくらい・・・・・・

「しいいいいいいいいいいいいいいいいいまったああああああああああああああっ!!」

 キラ達の思惑に気づかなかった自分を責めるように、アスランはムンクのように絶叫した。

「こうしちゃいられない!」
「行くのか?」
「ええ、俺はカガリを守ると約束したんです!」

 アスランは湯船を飛び出すと、急いで駆け出した。

「待ってろよ覗きども。お前等の好きにはさせない!」




時間は少し遡る・・・・・・・


「ふ、俺は今日ほど、この装備に感謝したことは無い・・・・・・」

 女湯との分岐点で、ディアッカは妖しげなジャケットを手に感涙の涙を流していた。

「このディアッカ・エルスマン。青春に一片の悔い無し!」
「ねえディアッカ、僕も行くの?」
「何を言ってるんだキラ、覗きは男の浪漫だぞ」
「1人だけ良い子ぶるのは感心しないなあ」

トールに肩を叩かれ、フラガに凄惨な笑顔で凄まれる。こいつ等は・・・・・・
だが、そんな彼らの頭上から1人の漢が飛び降りてきた。

「そこまでだ!」
「「「「なにっ?」」」」

 アニメチックに振り返ると、そこには1つの黄色いマスクを被った怪しい男が。

「ふっ、彼女持ちでありながら、婦女子の風呂を覗こうとは言語道断。貴様等の邪悪な野望は、この俺、ジュールマスクが許しはしない!」

 怪しすぎるマスクを被った男がビシィと覗き集団を指差しつつ糾弾する。

「ちっ、知られたからには口封じを・・・・・・って、イザーク、お前こそ何でこんな所に?」

 ここはすでに女湯へ向う通路である。野郎がこの場所にいるのは、非常に不自然なのだ。

「な、ななななななななななななにを言っているんだ!」

 明らかに動揺しているジュールマスク・・・・・・・いや、イザーク。フッと渋く微笑むフラガ。

「恥じる事はないさ。それは健全な男子たるもの、誰もが抱く正常な反応だからな」

 悟ってますね、フラガさん・・・・・・
 4人はは呆気に取られるイザークに歩み寄ると、やおら彼の肩をがっしりと掴む。

「漢は幾つになっても夢を追う生物なのだ。お前は自分を偽らなくてもいいんだ」
「お、おおっ・・・・・・そうだ、そうだったな。俺は、なんて馬鹿な事を・・・・・・そうっ!」

 ガシィッと5人の漢は手を取り合った。

「「「「「覗きは漢の永遠の浪漫!!」」」」」

 今ここに、漢達は分かりあったのだ。

「同士よ、さあ、これを着るんだ」

 トールの差し出すジャケットを受け取るイザーク。それに袖をとおし、5人は同時に姿を消した。



乙女達、大ピンチ!




話は女湯に戻って・・・・・・



「良い気持ちね・・・・・・本当、こんな気分も久しぶりだわ」
「そうねえ」

 体を伸ばしてゆったりと湯に浸かるフレイの隣で、マリューが頭にタオルを載せて肩までを湯に沈め、幸せそうにしている。
 2人ともほんのりと頬を染めていて、なかなかにいい絵になっている。
 だが、この光景は・・・・・・・

「くそっ」

 カガリが何やら敗北感に打ちのめされていた。

「辛そうですわね、カガリさん?」
「うわひゃああ! ラ、ラクス!?」

 突然真後ろから声をかけられて、びっくりして飛びあがる。一体何時のまに近づいたのだろうか?

「カガリさんはまだ成長途上ですから、気になさらずとも良いですよ」
「でも、フレイは私達より年下なんだが?」
「・・・・・・・あの人は異常です」
「そうかなあ・・・・・・って、なんで私の考えてる事が分かるんだよ?」
「いえ、何となくです」

 何時もの良く分からない笑顔を浮かべ、ラクスは答えをはぐらかした。


 そして、女湯に向う通路にて

(フッフッフ・・・・・・もうじきだ・・・・・・)
(あと少しで僕達は桃源郷に辿りつくんだね、トール)
(ああ、あと少しだ)
(俺がナチュラルの裸などに・・・・・・・でもいいかな)
(ふっ、青いな)

 誰も見えていない虚空にて、野郎どもは熱き思念だけで会話をしていた。もうテレパスである。
 だがそこに・・・・・・・・・・

「そこまでだあああああああああああっ!!」
(((((!!)))))

 5人がそーっと振り向くと、遥か後方に大声を上げて立つ一人の少年の姿が。

「ニコルの遺産を悪用し、婦女子の入浴を覗こうとは言語道断! お前達の腐った根性を俺が叩き直してやる!!」

 ビシィっと指を突きつけられて、5人は額に汗を流した。まさか、見えているというのだろうか?
 だが、5人が迎撃しようかと思ったとき・・・・・・

「お客さん、困りますねえ。女湯に向けて絶叫されたりしては」
「後、誤解だ、おばあさん! 俺はただ、姿を消して覗きをやろうとしてる不届き者どもを叩き潰そうと・・・・・・」
「はいはい、若いから血気盛んなのは分かるけど、大人しく男湯に行ってくださいね〜」
「いやあのちょっと・・・・・・・」

 老人とは思えない力でズルズル引きづられて行くアスラン。やがて、その姿は完全に見えなくなった。

「ふっ、アスラン、相変わらず詰めが甘いね」
「さあ、俺達は最大の難関を突破した!」
「ああ、俺達の漢の友情パワーの勝利だ!」

 なにやら勝利のポーズを取る5人。だが、なにも見えないのでただ空しいだけだったりする




ごしごしごしごしごしごし・・・・・・・ジャバァァ!

「ふうっ」

 泡だらけの体を洗い流して、再びカガリは溜息をついた。また胸に視線をやって・・・・・・

「別に、小さくは無いと思うんだけどなあ」

 そしてまた大きな溜息。

「はあ、神様、私、もうキサカに迷惑かけないようにするから、もう少し何とかしてくれないかな・・・・・・」
「ほらほら、なに追い詰められてるのよ?」

 完全に呆れ声でフレイが突っ込む。だが、カガリは恨めしげにフレイを見上げて、涙目になって、やっぱり溜息を付いた。

「フレイに、私の悩みなんか分からないよ」

 スタイル抜群の人は全て敵ですか?

「どうして私の方が年上なのに、こうまで差が出るのかな?」

 トホホ顔で呟くカガリ。フレイは少し悩んでから答えた。

「やっぱり、体質じゃないかしら」
「違うわね、牛乳を飲んで無いからよ」

 横からミリアミアが口を挟んできたが、その意見は迷信の一言で却下された。
 そこに今度はラクスが真剣な顔で意見を述べた。

「いいえ、皆さんは1つ、肝心なことを忘れてますわ」
「な、なんだ、ラクスは何か知ってるのか?」

 返事をわくわくした顔で期待するカガリに、ラクスはフッと悟った顔で微笑む。

「それは・・・・・・」
「「「それは?」」」」

 女性4人が顔を寄せて来る中で・・・・・・

「ずばり、経験の差ですわ」

 ビッと人差し指を立てて意見するラクスに、皆はポカンとした顔を見せた。

「け、け、経験って、まさか・・・・・・」
「そうですわ。フレイさんやマリュ−さんのスタイルが良いのは、つまりキラやフラガさんにあ〜んな事やこ〜んな事をされ続けた努力の賜物なのですわ」
「ちょ、ちょちょちょっと待ちなさい、ラクス! 人聞きの悪いことを言わないでよ!」

 直球勝負なラクスの発言にフレイが慌てふためく。

「では違うのですか・・・・・・・」
「そ、そうは言ってないでしょう!」
「否定はしないという事ですね?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 ラクスの鋭いツッコミに押し黙るフレイ。

「まあ、そうかもねえ」

 そこで肯定しないで下さい、マリュ−さん

「でも安心してください、カガリさん。裏を返せばまだまだこれからと言うことです。アスランはあの通り臆病者の甲斐性無しですが、まだ希望がないわけじゃありません」
「・・・・・・そうだよなあ。私も頑張ればフレイ達みたいなスタイルになれるってことだよな」

 まんまと乗せられてるカガリ。フレイはジト目で突っ込んだ。

「なにを頑張る気よ、あんたは?」
「そうですわね、お相手を殺さない程度に頑張ってくださいね」

 なにやら恐ろしい事を笑顔でのたまうラクスさま。
 と、女の子達が盛り上がってる所に・・・・・・

「そうかなあ・・・・・・?」
「どうかしたの、ミリィ?」

 首を傾げるミリアミアに問いかけるフレイ。

「アスラン君、胸無い方が好みかもしれないわよ」
「「「「・・・・・・・・あ・・・・・・・」」」」

 ミリアミアの的確なツッコミに、彼女達は思わず言葉を失った。




 乙女達の浴場に遂に欲望に塗れた獣達が現れた。だが、それに気付く者はいない。
 戯れる美女美少女たち。まさに男から見れば楽園のような湯船の中、体を拭こうかとやおら立ちあがった。その瑞々しい肢体があらわとなる・・・・・・・・

ぶしゅゆううううううううううううっ!!

突如として透明な湯船の一点から赤い色が広がり出した。そのまま湯船が赤く染まっていく。

「な、なによ、これは? まさか心霊現象とかいうやつ!?」
「ちょっとフレイ、何とかしてよ!」
「私に言ってもどうにかなる訳ないでしょ!」

 慌てふためくフレイとミリアミア。こういうのが苦手らしいカガリはすでに湯船の外に避難している。そんな中で何かに気づいたマリュ−が辺りを見まわす。

「何かいるわ!?」
「え、え、え、え、え?」

 いきなり訳の分からない事を言われてパニ来るカガリ。そんなマリュ−の言葉を証明するかのように徐々に人影が露になりだした。男達は自分の姿がさらけ出された事に呆然としている。ちなみに湯船にはイザークが浮かんでいる。こいつだけ女に免疫が無かったのだ。哀れイザーク。いきなりフレイのナイスバディを間近で見たりするから。

「こ、これは一体?」
「どういう事だよ、ディアッカ!?」
「・・・・・・ふっ、どうやらバッテリーが切れたようだな」

 キラの悲鳴のような問い掛けにわざわざ恰好をつけて答えるディアッカ。それは死を前にした男のせめてもの矜持だろうか。

「キ・・・・・・キラ?」
「トール・・・・・・それにディアッカ?」
「ムウ?」

 それぞれのお相手が呆気に取られて名前を呼ぶ。

「な、何でお前等がいるんだよ!?」

 恥ずかしさの余り無事な湯船に飛びこむカガリの声。

「うふふふ、まさか、覗きですか?」

 すでに体にバスタオルを巻いてるラクス。何時の間に・・・・・・・
 
「ふっ・・・・・・そぉ・・・・・・そぉなの・・・・・・ふふふふふふふふ」
「あ、あの、フレイさん?」

 尋常じゃない彼女の様子に、キラはビビリながらも声をかける。が、フレイは激怒の余り前を隠すのも忘れ、ギンと殺気の篭った目でキラを見た。

「キ〜〜ラ〜〜〜〜〜!?」
「は、はいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」

 かくいうキラも見えていることさえも完全に失念するほどの恐怖に陥り、直立不動モードに。

「そおおおおおおおおおおおおおんなに見たいんだったら・・・・・・・」

 右手を伸ばし、むんずとキラの首を握る。いけませんフレイさん、そこは止めを刺してしまいます。

「好きなだけ見せてあげようじゃないのぉぉ!! た・だ・し・・・・・・生きていられたらね!」
「はひぇええぇええええええ!!」

 クルッとフレイは女の子達を振り返った。

「悪いけど、このクズの始末は私がさせてもらうわ・・・・・・」

 誰も口には出せなかったが、恐怖に染まる目は「どーぞどーぞ」と言っている。

「そういう事で覚悟するのね・・・・・・死の」
「ま、待ってフレイ、まさかあれですかああああああ!!?」

 キラの悲鳴に対する答えは無く、フレイはキラを引きずって湯煙と岩陰の向こうに消えていった。それの後に同じようにフラガを引きずるマリューが消えて行く。
 2人を見送った後、カガリが震えながら呟いた。

「フレイの奴、物凄く怖かったな」
「そうですわね」

 ラクスが頷く。因みにトールとディアッカはミリアミアの折檻を受けていたりする。時折「グレイトゥ!」 とか聞えるのは何なのだろうか?




 そして、そこにようやくやってきた男が一人・・・・・・

「そこまでだぁぁ!!」

 やってきたのは、目隠しをしたアスランであった。

「ミラージュコロイドで女湯に忍び込み、婦女子の入浴を覗こうとは言語道断天罰覿面! そんな奴等は俺が纏めてあの世に送ってやる!」
「・・・・・・ア、アスラン?」

 カガリが呆然として呟く。現れたアスランにディアッカはミリアミアに踏みつけられながらも問いかけた。

「ば、馬鹿な、どうしてお前が?」

 ディアッカの問い掛けにアスランはふっと声のするほうを見て答えた。

「決まっている。番台のおばあさんにひたすら頭を下げ、なんとか目隠しをすることで妥協してもらったのだ。おかげで何度体をぶつけたことか」

 なんとも言えない苦労を積み重ねてたらしいアスラン。だが、彼は1つ致命的な間違いを犯していた。それは・・・・・・・

「うふふ、アスラン。男の方が女湯に入ること自体がタブーなのであって、目隠しをしてもそれは変わりませんことよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・え?」

 ラクスの指摘にぴたりと動きを止めるアスラン。確かにその通りである。

「アスラン、お前ってやつはあ!」

 カガリの何処か悲しそうな声に、アスランはその場にガックリと膝を付いた。

「お、俺は間違っていたのか・・・・・・・」

 そしてアスランはその場にあぐらをかくと、潔く処刑を受けると言いきった。それを聞いてラクスとカガリが顔を見合わせる。

「処刑って言っても、どうする?」
「口に手榴弾を詰め込むというのはどうでしょうか?」

 それは確実に殺してしまいます、ラクスさん。
 しばらく考えこむ2人。静まり返った女湯に響くのはフレイとマリュ−の喘ぎ声のみ・・・・・・先ほどまではキラとフラガの悲鳴だった筈なのだが、一体何が起きているのだろか?
 ラクスはポンと手を打った。

「そうですわ、カガリさん、手伝ってください」
「何をするんだ?」
「アスランを縛り上げますの」

 抵抗するつもりのないアスランは二人がかりで動けない様にしっかりと縛り上げられた。

「はい、カガリさん」
「な、何?」
「これで今のアスランは完全無抵抗状態ですわ。後は好きにしてください・・・・・・(ぼそぼそ)」
「・・・・・・お、おう!」

 カガリは顔を赤く染めて、しっかりと受け取った。

「ちょっとまてえええええ! 今何耳打ちしたんだラクス――!?」
「潔くありませんね、アスラン。敗者は大人しく勝者に従ってください」

 ラクスの死刑宣告とも取れる底冷えする声に、アスランは押し黙った。
 そしてカガリはニコニコ微笑みながら、ズルズルとアスランをやはり岩陰に引きずって行った。

「うふふ、頑張ろうな、アスラン!」
「て、その意味深な台詞は何? 何? 一体なんなんだ―!?」

 そして、後に残るは静けさ・・・・・・ちょっとアレな声が響いてるが、静かになった。トールとディアッカはすでに動かなくなり、イザークは鼻から大量出血したまま湯船に浮かんでいる。
 ミリアミアはラクスの隣まで来ると、問い掛けた・

「何を言ったのよ?」
「いえ、ただ、気が済むまでスタイルの向上に励んで下さいと言っただけですわ」

 この後、何があったのかは想像にお任せします・・・・・・・




そして、誰もいなくなった女湯で・・・・・・

「「「ふっ・・・・・・」」」

 ガラガラと積み上げられていた洗面器の山が崩れる。中から現れたのはダコスタ、サイ、カズィであった。

「良いもの見させて貰ったぜ」
「ふっふっふ、あいつ等も良く考えたが、まだまだドリーミングな俺達には及ばない様だな」
「でも、3人とも激しかったね」

 なんと、彼らは女性陣が女湯に入る前に突入、洗面器の山に埋もれて様子を見ていたのだ!!
 だが、彼らはまだ出てくるのが早過ぎた。トコトコと新たに女湯に入って来る一人の女性が・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

 完全に目が合う。ナタルは徐に荷物から拳銃を取りだし(何故そんな物をもってる?)、3人に向ける。

「貴様等・・・・・・こんな所で何をやっているのかああああああああ!!!」
「「「ちょっとまってぷり〜〜〜〜ず〜〜〜〜!!」」」




おまけ

「いいですか君達、覗きにカメラは邪道です」
「曇り防止双眼鏡ならいいんだよな?」
「携帯のカメラも、ですね?」
「姑息なんだよ、おまえら!」

 アズラエルと常夏はせっせと岩を登り、目指す桃源郷へと辿りついた。風が湯煙をそっと吹き流す。

「「「「おおおおお〜〜〜〜」」」」

 そこにいたのは、ウズミ、ホムラ、ハルバートン、サザーランド、シーゲル、パトリックといったナイスミドルな叔父様方であった。

ピシィッ!!!!

 4人はその場で化石と化してしまった。どうやら女湯へのルートを完全に間違えてしまっていたらしい。しかし、本編ではあれだけ対立していたのに、今は何とも気持ち良さそうにお酒を飲んでますねえ、みなさん


 翌日、病院には多数の重傷者が担ぎこまれる異常事体が発生していた。特にキラ、アスラン、フラガの3人は何があったのか、精も根も尽き果て、真っ白に燃え尽きてしまっていたのである。その代わりと言ってはなんだが、フレイ、カガリ、マリュ―はお肌もつやつや、ストレスの欠片も感じさせない笑顔で甲斐甲斐しくそれぞれの相手を看病していたという。


お・し・ま・い



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